進化論

相似性の創造


 進化の証拠として、あらゆる生物の教科書に出てくるものに形態学上の相同器官、相似器官、痕跡器官、および発生学上の発生反復論があります。先祖においては同じ器官であったものが、進化の過程で変化したものを相同器官といいます。発生起源は異なるが環境への適応の結果、同じ外形や機能を持つようになった器官を相似器官と言い、また先祖の時代には働いていたものが、進化の過程で働きを失い退化したと考えられる器官を痕跡器官(退化器官)と言います。
 脊椎動物の肺を比較すると、発生初期はどれもよく似ていて、さい裂(えらあな)や尾を持つほか、心臓などもすべて一心房一心室の時期を経過します。進化論者はこれを、生物は個体発生の過程において進化の道筋(系統発生)をたどりながら過去から現在までの過程を再現しているのだと主張しています。 E・ヘッケル“個体発生は系統発生を繰り返す”


 このような進化の証拠とされるものに対して、いろいろな疑問や反論が出されています。
相同期間についてヒッチングは「脊椎動物の四肢の例は、同じ構造が動物の種類によって異なる機能を果たす例として、昔から教科書によく取り上げられて来た。馬の足、鳥の翼、人間の腕、鯨のひれなどは、その働きと外見は全く異なっているのに、なぜ基本構造は同じなのだろうか。もし突然変異が徐々に蓄積し、それによって最も適応したものが選び抜かれてきたものであれば、飛翔のための器官と走るための器官とでは、構造が全く異なっていてもよさそうなものである」。(キリンの首)
 相同器官、相似器官に関してネルソンはキリスト教の創造論の立場から、これらの器官に見られる類似性は進化の証拠だけでなく、創造の証拠にも成りえると述べています。「類似それ自体は、神による創造をも進化をも論証するために用いられ得る。聖書を信じる者にとって生物の構造の類似は、一人の考案者すなわち創造主が存在し給いて、多くの種を造られた時、一つの計画、いわば一つの型を御心に持っておられ、それをできるだけ多くの生物に、生物が生息するいろいろな環境に適するように変化を与えて用い給うたと言う事実の単純な証拠となるのである」。


 また痕跡器官のようなものは有り得ないとネルソンは言っています。
「創造者なる神が、被造物の一つにでも、全く役立たない部分を与え給うたとすれば、確かに不合理である。そこでこの議論の価値を決定する唯一の方法は、どれかの生物の中に一つでも無用の部分があるか、ないかを決定することである。 …もしある部分が胎児の間だけ、あるいは小児の成長時代に、またはその後にでも、何かの働きを持つのであれば、その部分は有用なのである。そして進化の証拠とは合理的に言われ得ない」。と言い以前にはその存在理由が分からず痕跡器官と呼ばれたものも、医学の進歩と共に次第にその働きが分かってきたのであり、従って痕跡器官とは言えないと述べています。


 ヘッケルの発生反復説も最近では疑問視されています。人における反復説の証拠としてよく引き合いに出されるのは人の先祖が魚だったころの特徴とされる肺のさい裂ですがヒッチングによれば、これは咽頭嚢と呼ばれるもので、エラそのものではありません。魚ではエラになるが哺乳類では腺になるもので「あらかじめ遺伝的に決められている経路へと分かれる前のはいに共通な、必ず経なければならない基本的な一成長段階に過ぎない」と言っています。このように形態学、発生学上の進化の証拠とされているものは、いろいろと問題があります。にもかかわらず以前として進化論は共産主義国、自由主義国を問わず世界で今日の生物学の教科書にもとりあげられ、さも科学的な真理であるかのように信じられています。


 創造の構造創造に先だって神の心の中(イメージ)では神の直接的な愛の対象として人間の姿が描かれて(デザイン)いました。「神は自分のかたちに人を創造された」(創世紀一章27節)とあるように、人間は神の似姿として最も完全なものとして考えられたのです。その人間をモデルとして取捨、強調、変形して動物を考え、それを更に取捨、変形して植物を考えられたのです。それも高級な動物から低級で単純な動物へと植物も同じで、そして動植物を取捨変形していった極限において細胞のかたちが考えられた。細胞は生物を構成する最小単位として考えられたのです。つまり人間は神の性質とかたちを完全に表すように造られ、被造物は象徴的に表すように造られたのです。
 簡単に言うと人間は神に似せて造られ、万物は人間に似せて造られたということです。神は愛して喜び楽しむために、神の対象として人間を造られ、人間を喜ばせるために、人間の対象として万物を造られました。ですから万物が創造された目的は、人間の生活環境となるためであり、生活資料となるためであり、また人間の観賞と愛の対象となるためだったのです。


 次に神が考えられたのが人間と生物の住む所としての地球であり、それを支える宇宙でした。
動植物のイメージを変形して天体が考えられ、天体を造る材料としての鉱物の形質が考えられたのでした。さらに鉱物から分子、原子、素粒子へとイメージされていったのです。
人間→動物→植物→天体→鉱物→分子→原子→素粒子
 ところが、現象世界の創造はイメージの形成とは逆の方向からおこなわれたのでした。ビックバンと呼ばれるエネルギーの大爆発から素粒子、原子、分子が現れ、それらの原子、分子が結合することによって、鉱物からなる天体が形成されました。


 そして地球が形成され、地球上に最初に植物、そして動物、最後に人間が現れたのです。 このように創造はまず神の心の中でイメージの形成、すなわちロゴスの創造が行なわれ、次いでロゴスに従って現象世界の創造が行なわれたのです。これは進化ではなくロゴスに従い、計画的になされた創造だったのです。

 相似性の創造と言う立場から見るとき、相同器官や相似器官は進化の証拠ではなく、生物は人間に似せて造られたから、生物の器官に類似性があるのは当然なのです。はいの成長の類似も人間のはいの成長のプロセスがあらゆる生物のはいの成長のプロセスを総合したものになっているのです。
人のはいのさい裂は人が魚だった頃の特徴を残していっるのではなく、魚のはいが人のはいに似ているだけのことです。そして人間では腺になるべき部分が魚においては変形されエラになったのです。
痕跡器官については、例えば尾てい骨は動物の尾が退化したのではなく、人間の脊椎を延長させて造られたのです。
 人間は猿から進化したから猿に似ているのではなく、人間に似せて造られた猿が、人間に似ているのです。 先にも述べたように人間は神の喜びの対象として神に似せて造られ、万物は人間の喜びの対象として人間に似せて造られたのです。創造は単純なものから始まり、単純なものを材料としながら、次第に高級で複雑なものへと秩序的に発展的に為されてきたのです。


 共産主義の理想とマルクス理論は完全に地に落ちましたが進化論はいまだに健在で生き残っています。進化論は単なる一つの自然観ではなく科学的真理を装いながら人々を神を否定する方向に導いてきたのです。ダーウインとマルクスは時を同じくして同時代に育っているが「ダーウインが生物界の発展法則を発見したように、マルクスは人間の歴史の発展法則を発見した」とエンゲルスは語っているように進化論とマルクス主義は進む方向を同じくし互いに手を取り合いながら人々を神から遠ざけて来ました。したがって進化論にいかに対処するかは人生観を根本的に左右する問題なのです。今日、神が人類に約束された理想世界、地上の天国と霊界の天国を実現する日が近ずいています。そのために大きな障害となるのが進化論なのです。


 我々の所属する協会の一部に世界の思想や哲学を研究する統一理論研究会と言う所が有り、進化論の批判と代案はそこが出版している「進化論から新創造論」の理論をもとに大切なところをピックアップして書いてきた訳ですが、最近では進化論に対して異論を唱える学者が増えて来ました。生物学者のR. エイブリー博士は「自然界では、同じ種は変化するが、絶対に進化はしない。小麦はグレープフルーツにはならず、豚にはけっして羽は生えない」と言いました。これからは科学者や知識人の研究により間違った歴史観、思想、哲学、観念に対しは訂正され本物の絶対的真理が発見されて行くでしょう。 それゆえ今後、このような研究が進められることにより、科学者の研究の成果はますます創造論を指示するようになっていくと思います。そしてやがて宗教と科学は真の意味で統一されるでしょう。。。。進化論の批判はこれで終りとします。


 すでにソ連では共産主義思想が自家撞着を起こし、崩壊したとは言え、北朝鮮や中国では依然として体制が残っております。共産主義思想はサタンが神の存在を人間が無視するために産みだした思想なのです。ですから地上から共産主義思想が一掃されるまでは、それらの間違いを正していかなければならないのです。
 それと民主主義社会、共産主義社会を問わず、世界の文明は今、一大危機に瀕しています。 汚職、アルコール中毒、麻薬、病気、家庭の崩壊、青少年の非行、性道徳の退廃、殺人など、倫理、道徳の崩壊は実に目を覆うばかりです。このような世界的な文明の危機をもたらした原因は何でしょうか?
 哲学的にみれば、それは精神主義を軽視する物質主義や人本主義、世俗主義などが今日まで長らく世界を支配してきたからです。その唯物主義を支えている強力な理論的根拠の一つが進化論と共産主義思想に他ならず、従来の進化論を克服し、進化論に対する新しい代案である新しい創造論(新創造論)とマルクスの「資本論」を土台とする共産主義思想の批判とそれに変る代案を定理することが必要となったのです。





「進化論から新創造論へ」より引用抜粋

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