神様は人類の真の父母

人間の仕事

人間は働くことによって、報酬を得て生活しています。原始時代は自給自足の生活でした。やがて農耕生活をするようになり、それぞれの需要に応じて専門職が誕生しました。そして人間はより楽になり、より便利な機械を発明してきました。それによって、単純労働や危険な仕事は、ほとんど機械がやるようになりました。
 貴族の生活を支えたのは奴隷の労働力でした。今は機械がやります。それでは人間の生活は貴族のように優雅になったかというと、庶民の生活は相変わらず苦しく、それほど優雅になったとも思われません。
 企業の目的は利益の追求ですから、大量生産、大量販売、そしてコストダウンが要求されます。機械と人間がフル稼働すればたちまち過剰生産に陥ってしまいます。働くことが美徳のはずが、働くなというのです。倹約は美徳のはずが、消費せよというのです。内需拡大とは倹約の反対です。
 人間が働いて報酬を得るということは、社会の需要に応えているからです。生活の基本は衣食住ですから、仕事の基本も衣食住を満たすことです。しかし人間にはさまざまな欲望があります。社会が複雑になるにつれ、いろんな需要に応える仕事が生れました。
 人間には善なる欲望もあれば、悪なる欲望もあります。悪なる欲望に迎合するような仕事もあれば、むしろ社会の害になる仕事もあります。資本主義の最先端で働く為替ディラ−のような仕事が、果たして社会のためになるのでしょうか。
 現代社会には不必要な仕事がいろいろあります。製品が過剰に生産されれば、売るためにムリな競争、ムダな競争もしなければなりません。人々が餓死するような国がある一方、たくさんの食物が捨てられています。資本主義社会はムダ、ムラ、ムリの社会です。
 「共生主義社会」では、社会の害になるような仕事は誰もやらなくなり、自然に淘汰されるのです。麻薬はむろん、飲酒、喫煙の習慣もなくなり、歓楽街は消えるでしょう。家庭や地域社会に愛があふれるなら、疑似恋愛や酒に酔う快楽は、人々を引きつけなくなるのです。
 インタ−ネットの普及によって、中間業者や仲介業は必要がなくなるでしょう。過剰な広告やセ−ルスマンもいりません。物欲や金銭欲に迎合するような仕事は、すべて淘汰されるのです。このように見てくると、人間の仕事が激減してしまいそうです。
 人間は霊界で永生することが明らかになれば、衣食住に固執する必要はありません。美食や過食をつつしみ、衣服は質素なものでよく、住宅も共同住宅で充分です。しかしそれでも、人類一家族の理想を実現するには多くの問題があります。
 霊界では原材料は減ることも腐ることもなく無尽蔵であるというのですが、有限の物質界ではそうはいきません。人口の増加に伴う食料不足や土地の不足、エネルギ−不足をどう解決するのでしょうか。
 石油資源はやがて枯渇するでしょう。原子力はあまりにも危険です。太陽熱や風力では不足とすれば、人類は総力を挙げて新しいエネルギ−源を開発しなければなりません。それは人類共通の研究テ−マであって、ある企業や国家が特許によって独占するようなことがあってはなりません。知的財産も人類の共同所有であるべきです。
 文鮮明先生は人類の食料問題を解決すべく、海洋摂理を展開して来られました。陸地には限界がありますが、海には無限の可能性があります。水産業を興し、魚や海草を養殖するのです。フイッシュパウダ−にすれば、保存や運搬も自由です。
 農業もさらに発達するでしょう。新しい農法が開発されて、クリ−ンで安全な野菜や穀物が生産されるでしょう。保存法も進歩して、人類は飢えの恐怖から開放されるのです。栄養的にバランスのとれたビスケットと野菜ジュ−スで健康は保たれ、料理は趣味の領域に入るかもしれません。
 人間の仕事が利益だけを追求するなら、地球は汚染されたままです。二十一世紀の人間の重要な仕事は、地球の再生です。環境汚染や地球温暖化の防止が急務です。ゴビ砂漠にポプラの木を植林する奉仕活動をしているグル−プがあります。砂漠が五千年前の緑の大地に蘇るなら、何と素晴らしい仕事でしょう。地球にはまだまだ人が住んでいない大地があります。狭い日本にも、過疎化に悩む町や村が多くあります。都市に人口が集中するのは人間の堕落性です。人間は自然と共に生きるようになっています。
 人生の目的は働くことにあるのではありません。やがて日に四時間も働けば充分という時代になるでしょう。人間は限りある地上生活を、どのように生きるべきでしょうか。
 世界が平和になれば軍隊は必要ありません。国連警備隊で充分です。しかし青年時代に軍隊的な集団生活をすることは心身を鍛え、人生経験を豊かにしてくれます。二年間ほどは「海外青年隊」として世界をめぐり、人類のために汗を流して働くことが必要ではないでしょうか。
 人間は何を所有しているかより、何ができるかに価値があるのです。それが趣味的なものであっても、人生の一つの目標になるのです。歓楽街やギャンブル産業に代わって、趣味産業が盛んになるでしょう。

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