神の実在と霊界の実相・霊界の聖人たち

悪霊たちの暗躍

心に何の不安も心配もなく、心身ともに健康で家庭には何の問題もないという人は稀です。競争社会に生きる現代人は、多かれ少なかれ不安と焦燥の日々を送っています。また家庭では夫は妻を信頼し、妻は夫を尊敬して、固い夫婦愛で結ばれているという夫婦は少ないのです。夫婦の仲が悪ければ子供は親を尊敬できず、親子は心が通わないのです。
 少子化の現代では子供がいないか、いても一人という家庭が多いのです。兄弟姉妹の愛を知らず、祖父母の愛を知らないで成長するなら、人を愛する心情に欠ける人間になってしまうのです。個室にこもってテレビやパソコンが相手の生活環境は不自然であり、人間的ではありません。
 社会に出れば過度の競争意識から、心の休まる時がありません。周囲はみなライバルであり、頼れる者は自分だけという孤独感、疎外感にさいなまれるのです。そして落伍すれば挫折と絶望にうちひしがれ、ノイロ−ゼになったり、うつ病になったり、ついには自殺する人が、年間三万人にもなるのです。
 事業に成功して富を手にした人、才能を開花させてその道で名声を博した人も、決して心は安らかではありません。いつ不測の事態が起きて失敗するか、倒産するかもしれません。芸能界や勝負の世界でトップの座を保つのも容易ではありません。栄光の時は短いからです。
 人間の心に忍び込む過度の競争心や反抗心、疎外感や孤独感、不安と恐怖と焦燥感は、ル−シェルが神に反逆した、その堕落の性禀を受け継いでいるのです。ル−シェルは愛の減少感から自己の位置を離れ、アダムの位置に立ちたいという過度の欲望と驕慢な心を抱くようになりました。神様は何度かル−シェルを諭し、警告されたということですが、ル−シェルは神様にできることは自分もできると反発して、ついにエバを奪ったのです。
 その時の神様の凄惨な心情はいかばかりでしょうか。神様と人間の親子の愛の関係が、その出発から悲痛な恨みと呪いと悪夢の場へと転落したのです。そして人類の歴史は、地獄の歴史へと流れて行ったのです。
 神に反逆したル−シェルは悪神サタンとなり、偽りの父母となりました。しかしサタンはいつか自分の正体が暴かれることを知っていたのです。その不安と恐怖から、サタンは天使界に悪を増殖して勢力を拡大して、神に対抗しようとしたのです。こうして天使界も、善と悪とに分裂したのでした。
 サタンは人間を悪の道に引きずりこみ、地獄に送りこんできました。神様は創造の原理にない地獄に、干渉することができないのです。神様は孤独な心情で、ル−シェルとその一派が過ちを悔い改めて帰ってくることを、ひたすら待っておられたのです。それが神の恨の歳月であり、悲痛と悲憤の歳月であったというのです。
 人間を不幸に陥れ、精神を狂わせたり病気にさせたりする悪霊とは、どのような存在でしょうか。
 悪なる天使たちは、地獄で苦痛にうめく霊人たちをさまざまに誘惑して、自分たちの勢力の確保にあらん限りの力をつくすのです。地獄の霊人たちは自分たちの環境があまりにも悲惨で苦しく、苦痛から救われたい一心で、悪の天使について行くというのです。
 彼らは地獄を流浪して仲間を集め、悪霊となって地上人を苦しめるのです。悪霊も相対基準を結ばなければ悪の協助ができません。その主な標的となるのが、血統的に因縁のある彼らの子孫なのです。その子孫が悪に心を向け、不安と恐怖にとらわれた時に悪霊が入るのです。こうして地上人は原因不明の病気になったり、事故に遇ったりして死に至る場合もあるのです。
 地上人の病気の七、八十%は、悪霊の仕業であるというのです。不安や心配に心が奪われると、悪霊がその人の胃腸をぎゅっとつかんで胃が痛むのです。やがて慢性になれば胃潰瘍になったり胃がんになったりするのです。
 現代医学では治療できないような病気がいろいろあります。中でも恐ろしいのは心の病です。霊界でも狂ったままの、哀れな霊人がいるというのです。ノイロ−ゼ、うつ病、精神分裂病などは、現代医学でも簡単には治療できません。霊的な病であるからです。それはその人の先祖に何らかの事情や、頼みがあるということの信号であるというのです。地上の子孫が気がついて供養してやり、祈祷したり、徳を積むことによって、その恩恵によって先祖も救われるというのです。
 神様は人間の肉体を精密に設計して、有機的に作用するように神秘的に創造されたのです。ところがサタンは神様が創造の失敗者と見せかけるために、肉身にとりついて破壊工作をしてきたのでした。
 公害や環境汚染、あるいは各種の細菌やウイルスによって病気は起こります。あるいは過労など、肉体を無理に扱うとだめになってしまうのです。それには現代医学の助けが必要です。肉体を持っている者の自らの責任であるからです。
 しかし人間の肉眼には見えない、霊的な細菌による発病も多いというのです。悪霊は地上人の肉体のあらゆる器官に侵入して、霊的に見ると真っ黒に見えるというのです。

↑ PAGE TOP